★エリーズは約10年間に渡り農業に関った後、
2018年にエゼネ(Aizenay)というナント市から
南に約一時間下った町に唯一残された
レ・ヴィーニュ・ド・ラトリの葡萄畑4haを引き継ぎました。
彼女は限りなく畑を自然な状態に近づけたいという思いから、
既に2012年よりビオロジック農法で作業された畑を
2018年から耕起作業は部分的にのみ行い、
冬には畑に羊を放牧して動物に草刈りをさせ、
同時に糞から有機物を畑に運ぶなどの工夫をしています。
土壌は花崗岩やシストと少しの雲母からなる、
ローム土(粘土と砂の間のシルトが多い土)と
砂質土が混ざり合ったテロワールで、
品種はグロロー、ガメイ、カベルネフラン&ソーヴィニョン、
シャルドネ、グロローグリを栽培。
春から夏にかけては一般的に使われる硫黄と銅の使用を極力抑え、
代わりに肥料や煎じ薬、ハーブティー又は
エッセンシャルオイルなどを使い
自然なバランスを生む考えのもと
葡萄の木や土壌のトリートメントを行います。
このように自然に大きなリスペクトを払う彼女のワインには
人的介入を感じないどこか素朴な印象を受けます。
醸造時も極力ワインに手を加えないところ、
時には少しワイルドな味が出るものもあり、
以前のグリオットを少し思い返すような生産者です。
非常に残念ながら彼女は2021年ヴィンテージを最後に
ワイン造りを辞めてしまい、
次のステップへと進む方針ですが、
最後に彼女のワインを日本で紹介できる事を嬉しく思います。
ヴォルテックスさんの資料より